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ビリー・バンバン菅原進が語る、アルバム5作品セルフライナーノーツ

SOUND FUJI 編集部

2024.1.22

1969年1月15日のレコードデビューから55周年を迎えた兄弟フォークデュオ ビリー・バンバン。
デビュー曲「白いブランコ」を含むキングレコードから発売されたシングル・アルバムのダウンロード/サブスクリプション配信が全世界で開始された。

その配信を記念し、ビリー・バンバンの弟・菅原進によるセルフライナーノーツを公開。
初めてビリー・バンバンの楽曲に触れる方も、既にビリー・バンバンを熟知している方もこの記事と併せて、ビリー・バンバンの作品をご堪能下さい。

『ビリー・バンバンのえるぴい~ミドリーヌ~』 1969年発表

デビュー曲「白いブランコ」がヒットしたことで作られたのが、ビリー・バンバンにとって最初のアルバムとなった本作です。
このアルバムのために作られた楽曲「赤いバラとチョコレート」は、TBSの『ヤング720』という番組でよく歌いました。
この曲を作ってくださった浜口庫之助先生。デビュー前は、僕たちの歌のレッスンをしてくださいました。教室がある先生のお屋敷の庭に白いブランコがあり、作詞の小平なほみさんとそこに腰掛け、ギターを弾きながら作ったのが デビュー曲「白いブランコ」です。
このアルバムでは、小谷充先生に「白いブランコ」を新しくアレンジをしていただいています。この時代は、作家の先生方の力が強い時代でしたが、小谷先生は僕らのアイディアにも耳を傾けて反映してくださいました。
そして、このアルバムのタイトルにもなった「ミドリーヌ」という曲は、元々はペギー葉山さんのために書いた曲でしたが、ペギー葉山さんに送った後に僕たちも歌うことになったという経緯があります。
デビューしたばかりで まだ右も左もわからなかったので、自分たちの思う通りにならなかったことも多く、歯痒い思いもしました。
しかし、今になって聴いてみると、大きなスタジオで楽器と歌を同時に録音していたことで臨場感やリアリティを感じられるし、僕らの歌声も若々しくてハリがある。
今では作ることができない、初期のレコーディングならではの音を存分に聴いていただきたいです。

『ビリー・バンバンのえるぴい~ミドリーヌ~』:https://lnk.to/BBBnoLP

『ビリー・バンバン・デラックス<明日に架ける橋>』 1970年発表

レコードのA面(1~6曲目)には 自分たちのオリジナル曲を、B面(7~12曲目)には 洋楽のカバーを入れました。
1曲目の「ドアを開けたら」には、間奏でお兄さん(菅原孝)のフランス語での台詞が入っています。これは、シングルの時には入っていなかったのですが、「是非ともここに台詞を入れたい!」というお兄さんのアイディアを取り入れました。
洋楽カバーの曲目は、当時僕が好きだった洋楽の中から歌ってみたいと思った曲を選んでいます。
このアルバムでも「明日に架ける橋」と「コンドルは飛んで行く」をカバーしたサイモン&ガーファンクルは特に大好きで、しょっちゅう家で聴いていました。胸に染み入る様な楽曲に魅了され、同じデュオということで、ハモり方なども凄く勉強になりました。
このアルバムでカバーした洋楽曲のほとんどは、当時ライブでも歌っていたと思います。
アルバムのジャケットに写っているのはサンフランシスコの街並ですが、僕らは合成です(笑)
あの頃ってアルバムのジャケットに拘るという発想は、まだほとんど無い時代だったんじゃないでしょうか。

『ビリー・バンバン・デラックス<明日に架ける橋>』:https://lnk.to/BBB_AnKH

『ゴールデン・フォーク・ジャンボリー』 1971年発表

小林啓子さんとは、このアルバム制作をする前から何度かコンサートで一緒になることがありました。綺麗な方で、素直で真っ直ぐな歌声が魅力的だなぁといった印象でした。
去年、九州で一緒にライブをしましたが、スタイルも含めて当時と印象が全く変わっていなくて驚きました。
このアルバムは2枚組で、1枚目(1~12曲目)が日本のフォークソングのカバー、2枚目(13~24曲目)がアメリカンフォークのカバー。
このアルバムで歌った日本のフォークソングは、当時流行っていた曲だったり、親交のあるミュージシャンの曲だったり、あの頃聴いていて「いい曲だなぁ」と思っていた曲です。
ザ・ブロードサイド・フォーの「若者たち」とか歌ってみたいと思っていたし、「空に星があるように」を歌った荒木一郎さんも良い歌手でしたよね。
アメリカンフォークのカバーの選曲に関しては、会議してみんなで決めました。せっかく女性が加わるのであればということで歌ったピーター・ポール&マリーの「悲しみのジェット・プレーン」なんか、今聴いてみてもとても爽やかで良い感じ。
女性と一緒にレコーディングする初めての機会でしたが、彼女とビリー・バンバンのハモリも凄く合ったので、そのハーモニーにも注目して聴いてみてください。

『ゴールデン・フォーク・ジャンボリー』:https://lnk.to/GFJ

『夢を紡ぐ季節』(菅原進ソロ・アルバム) 1991年発表

自分の作品というのは聴き返さないのですが、そんな僕でも時々聴き返してしまうほど好きな作品がこのアルバムです。
この前にも4枚ソロ・アルバムを出しましたが、ようやく「これが僕の世界だ!」と言える菅原進としての世界観がこのアルバムで完成しました。
歌い方に関しても、若い頃から色んなジャンルに挑戦したり、試行錯誤しながら経験を積んだりした結果、”僕なりの歌い方”というのがこのアルバムで確立できたと思います。
岡崎律子さんとのデュエット曲「微笑みは愛の中で」は、とっても良い歌で大好きな1曲です。
岡崎さんとはレコーディングで初めてお会いして、二人で一緒に歌いながらこの曲のボーカルをレコーディングしました。練習もしないですぐに本番だったにも関わらず、音程をバチッバチッと決めてくる 透き通るように美しい(彼女にしか歌えない独特な)歌声。ヘッドホンを通じてその声を聞いた瞬間に”ブルッ”と身震いしてしまい、耳も良く、歌い方も良い彼女に一瞬にして心を掴まれました。
その他にも「さよなら」(ボサノバの中村善郎くんが作った曲)、「ガラス越しの君にメリー・クリスマス」など挙げたらキリがない程、好きな曲が詰まった作品です。

『夢を紡ぐ季節』:https://lnk.to/SS_YwTK

『季節は回転木馬のように』 1993年発表

後にシングル盤でも発売された「季節は回転木馬のように」「夢の中へ帰ろう」など、提供していただいた曲は、「ビリー・バンバンの世界観を意識して書いてくれたんだろうな」というのが楽曲からも伝わってきた気がします。
「白いブランコ(ニューバージョン)」「さよならをするために(ニューバージョン)」という形で、過去の曲も新たにレコーディングしました。この時のアレンジも良いなと思いますし、今回の配信で何より聴いていただきたいのは歌声の変化です。この頃の歌声は、デビューした頃の若い時とも、今の僕の歌声とも全然違います。こういった変化を、各時代の音源と聴き比べることで皆さんに感じ取って欲しいです。
ソロ・アルバム『夢を紡ぐ季節』にも参加してくれていた岸村正実くんが、このアルバムでも半数の楽曲を編曲してくれました。僕は、彼のアレンジが一番好きなんです。
中でも、「僕の半分の未来図」や「あざやかな季節の中を」など、残念ながらヒットはしていないものの、良い曲が眠っているので是非この機会に聴いてみてください

『季節は回転木馬のように』:https://lnk.to/BBB_TwKny

今は、YouTubeでも色々な歌を歌っております。過去のビリー・バンバン、菅原進の作品を聴いていただいた上で、今後の菅原進も是非とも宜しくお願い致します。


<プロフィール>
菅原進
1969年、兄弟デュオ「ビリー・バンバン」としてキングレコードから「白いブランコ」でレコードデビュー。CM等の作曲を手掛け、サントリー・トリスCM曲「琥珀色の日々」で電通賞とカンヌ国際CF祭の金賞を受賞。いいちこのCM「時は今、君の中」はCMサウンドセレクションCM音楽BEST6に選出された。

「昭和歌謡黄金時代 in秦野」
出演:湯原昌幸、菅原進、夏木ゆたか、せんだみつお
日時:2024年2月24日(土) 13:30開場/14:00開演
場所:クアーズテック秦野カルチャーホール(秦野市文化会館)大ホール
チケット:5,000円(当日 5,500円)全席指定
※2歳以下は入場不可
https://www.townnews.co.jp/pr/hadanoculture/2023/11/706817

YouTube「BillyBanBanビリーバンバン菅原進チャンネル」
https://www.youtube.com/channel/UC9SqmJ0P7PbdLZI_g-0evoQ

ARTIST

  • ビリー・バンバン

    BILLY BANBAN

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