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じゅん&ネネ、平尾昌晃が変えた二人の運命

SOUND FUJI 編集部

2024.3.28

昨年、1968年のデビューから55周年を迎えた じゅん(Jun)とネネ(早苗ネネ)による女性デュオ じゅん&ネネ(じゅんとねね)。
今月6日より、じゅん&ネネがキングレコードからリリースした全楽曲のダウンロード/サブスリプション配信を開始し、SNSでは当時の楽曲を懐かしむ声や若年のリスナー視点での発信など様々な反応が見受けられる。
当時のじゅん&ネネの人気ぶりを知る方々の中には、デビューから飛ぶ鳥を落とす勢いでヒットを連発し、順風満帆であったイメージを抱く方もいるかもしれない。
しかし、そんな彼女たちにも下積みと言えるような紆余曲折があった。

じゅん&ネネの二人が出会ったのは、じゅんが中学1年生、ネネが小学6年生の時。渡辺プロダクションが創設した東京音楽学院の生徒から組成されるスクールメイツに籍を置くメンバーとして出会うことになる。二人はそれぞれ、日本テレビ系列にて放送された番組『ホイホイミュージックスクール』のオーディションに合格したことをきっかけに東京音楽学院へ入学、次々とスターを生み出したスクールメイツの記念すべき一期生となった。

レッスンを重ねていく中で、二人のハーモニーが評価され、スクールメイツで出会ってからわずか約半年で『クッキーズ』を結成し、活動を開始。レコードデビューを果たし、フジテレビ系列で放送された音楽番組『ザ・ヒットパレード』では準レギュラーとなり、都内のジャズ喫茶にも多数出演、『日劇ウエスタンカーニバル』にも出演した。クッキーズとしてデビューした直後の活動を振り返るだけでも、彼女たちに対する周囲からの期待がいかに高かったが伺える。

クッキーズとして活動を続けていた二人であったが、ヒット曲が生まれないまま、気づけば3年もの月日が流れていた。同じステージを踏んだグループサウンズの面々や人気歌手が次々とヒット曲を出していく光景を間近で見ていた二人にとって、自分たちのヒット曲がないまま過ぎていく時間に、不安や焦りを感じていたことだろう。
それでもステージに立ち続け、彼女たちは銀座の音楽喫茶「メイツ」にレギュラー出演していた。
そんな二人に目をつけた、とある人物がいる。歌手だけでなく作曲家としても才能を発揮し、メイツの総支配人・音楽監督であった平尾昌晃だ。
彼は、映画やドラマに出演する女優を擁するプロダクションから「歌手第一号をやりたい」という相談を受けていた。そこで、ヒットが生まれず苦悩しながらも 可能性を秘めていた若き女性デュオ クッキーズを紹介し、クッキーズの二人は新天地で再スタートを切ることとなる。

新天地での再スタートに当たり、これまで以上に二人が持つ個性を前面に押し出すプロデュースがなされ、短髪でボーイッシュな装いの”じゅん”、ロングヘアーで可憐な装いの”ネネ”へと生まれ変わり、クッキーズは『じゅん&ネネ』へと改名。

じゅん&ネネとしてのデビュー曲は、二人の新たな方向性・コンセプトを示すものであると同時に、彼女たちの歌手人生を大きく左右する重要な1曲。そんなデビュー曲を平尾昌晃が作曲を手掛け、彼も所属していたキングレコードより発売されることとなった。そのデビュー曲こそが、1968年発売の「愛するってこわい」である。スクールメイツ、クッキーズで培ってきた歌唱力、持ち味である二人のハーモニーが存分に発揮された楽曲に加え、宝塚の男役と娘役の関係にも通ずる女性二人による独特なムードが多くの人々の心をつかみ、「愛するってこわい」が80万枚の大ヒットを記録する。
続く、「みずいろの世界」「お気に召すまま」と平尾昌晃が作曲したシングルを発売し、立て続けにヒット。活躍は、音楽だけにとどまらず、東宝映画『ドリフターズですよ!全員突撃』でじゅん&ネネの二人がスクリーン・デビューを飾り、劇中では「みずいろの世界」も歌った。デビューから1年経たずして、人気を獲得していき、独自のポジションを確立していった。

じゅん&ネネ

じゅん&ネネは、ネネがイギリス留学をすることをきっかけに解散となるが、それまでにシングル14作、アルバム6作を残し、クッキーズ時代を含めると10年という年月をデュオとして活動した。そして、2003 年に再結成して以降、それぞれのソロ活動と並行して現在も活動を継続している。
じゅん&ネネの二人が音楽活動を継続できた要因はいくつもあるだろうが、平尾昌晃との出会いが無ければ二人の運命は大きく変わっていたことだろう。同様に、長いキャリアで数々のヒットを生み出した作曲家・平尾昌晃を語る上でも、作曲だけでなく初期のプロデュース面でも携わったじゅん&ネネは、重要な存在であると言える。

そんな特別な関係性にあるじゅん&ネネは、多くの人々に知られる自身のシングル曲だけでなく、他の歌手が歌った平尾昌晃作品のカバー、アルバムにのみ収録された平尾昌晃作品も歌っている。これらのレア・トラックスをまとめたプレイリスト『じゅん&ネネmeets平尾昌晃メロディー』を公開。プレイリストの末尾にはボーナストラックとして、1969年10月20日サンケイ・ホールでのリサイタルにて平尾昌晃とじゅん&ネネによって歌われた「愛するってこわい」のライブ音源も収録。
知る人ぞ知る存在であったレア・トラックスを通じて、じゅん&ネネと平尾昌晃が生み出す世界観を堪能し、リスナーの皆さんによって新たなじゅん&ネネの魅力を発見していただきたい。

じゅん&ネネmeets平尾昌晃メロディー
プレイリスト『じゅん&ネネmeets平尾昌晃メロディー』
https://lnk.to/JNmeeysMH

ARTIST

  • じゅん&ネネ

    JUN & NENE

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