COLUMN
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TERRA ROSA 岡垣正志によるセルフライナーノーツ。JILL岡垣作プレイリストも順次公開。
SOUND FUJI 編集部
2023.11.15
美しく荘厳でパワフルなハードロックバンドを目指したTERRA ROSAの結成から40年の時が経過してしまいました。
本当に月日が流れるのは早いものですね。
当時は若くて、自分達の理想の音と演奏をひたすら追求しながらただがむしゃらに練習とライブを繰り返していた日常でしたが、自分達の作品を記録に残そうとレコーディングした2本のデモテープが某音楽誌のコンテストでグランプリ受賞。それはとても大きな話題となり知名度も一気に上がり、ついにはキングレコードよりメジャーデビューが決まるという流れに至りました。まあそれまでの苦労が報われたというか、自分達の音楽を理解し、応援してくれる人達がこんなにもいるのかと、とても感激した事を今でも覚えています。
そこからTERRA ROSAとしてアルバム制作の度に作曲、アレンジ、レコーディング、ミックスと大変な作業を幾度となく経験し、現場での人との繋がりも増えミュージシャンとして沢山の事を学ばせていただきました。そして、この度はそういった苦労や思い出がいっぱい詰まった作品群が全世界へ配信される運びとなり、とても嬉しく思います。
◆各アルバムについてJILL岡垣から一言
1st『THE ENDLESS BASIS』
やっぱり代表作。インディーズ時代からの楽曲が沢山あってレコーディングもスムーズでした。何より三宅庸介のギターがエモーショナルで凄いし、堀江さんのドラムも大胆でスリリング。勿論、赤尾さんのVoは抜群にパワフルだし、山口くんのベースもエネルギッシュ。負けじと私のオルガン&シンセも頑張ってますよ。大作「もの言わぬ顔」は必聴です。
『THE ENDLESS BASIS』:https://lnk.to/TerraRosa_TEB
2nd『HONESTY』
全曲、新曲!!新加入の鈴木広美の活躍が目立ちますね。個人的に「MR.FREELANCE」っていう曲のギターリフが好きで、赤尾さんのVoも迫力に満ちてます。そして大作「EVELYN」では 私、やりたい放題です(笑)
『HONESTY』:https://lnk.to/TerraRosa_HONESTY
3rd『刹那の甘露-SASE-』
タイトルナンバー「刹那の甘露-SASE-」は私がギターで作曲。今までCDのオープニングは1曲目がいつも速い曲だったので、それを打破する為にヘビーでミディアムテンポながらもファンにガツンと響く楽曲を目指しました。しかしながら絵に描いたような様式美スピードナンバー「DEATHBLINK」も7曲目にしっかり収録、これは当時のライブのオープニングを飾る曲に無事採用され、めでたしめでたしでした。
『刹那の甘露-SASE-』:https://lnk.to/TerraRosa_SASE
『LIVE…FINAL CLASS DAY』
目黒鹿鳴館と大阪バナナホール(現TRAD)でのラストライヴの模様を収録。三菱のデジタルオープンレコーダーを会場に搬入しての本格的なライブレコーディングでした。特に大阪バナナホールでのライブは超満員、異様なくらいの盛り上がりで最前列のお客様は大変だったと記憶しています。そんなライブならではのムードと荒々しいパフォーマンスが絶妙に収録されて自分はとても気に入ってます。
『LIVE・・・FINAL CLASS DAY』:https://lnk.to/TerraRosa_Live…FCD
『TERRA ROSA LIVE FROM CODA』
初期TERRA ROSAのメンバーであったギタリストYOUを迎え3日間限定でのTERRA ROSA再結成の模様を収めたライブアルバム。音楽以外でも親しい間柄であったYOUちゃんと最後の共演となってしまったライブの記録です。仲の良かったMASAKI(B)や佐藤潤一(D)のサポートを含め、とてもレアで、あの時に本当にやって良かったと思えるイベントでした。TERRA ROSAメジャーデビュー前の楽曲を中心にこのライブのために書き下ろされた「TO CODA」の出来も秀逸で彼の天才的なギターワークと共に彼のことを思い忍んでいただきたいと思います。
『TERRA ROSA LIVE FROM CODA』:https://lnk.to/TR_LFC
◆JILL岡垣によるプレイリスト!解説付き!
JILL岡垣のルーツMUSICは?
▪️人生最初の音楽的ショックは5歳
5歳で父親に連れられて映画館で観た東宝映画『怪獣大戦争』の冒頭に流れる勇ましい「怪獣大戦争マーチ:伊福部昭」に心を奪われ、それ以来 伊福部昭先生の虜になり「ゴジラ」の有名な9/4拍子(4/4+5/4拍子の繰り返し)のテーマを鍵盤で拾って耳コピすることを覚えました。ゴジラ映画には伊福部先生の曲が大変多く使用されており、あの独特な音階と重厚なオーケストラサウンドのおかげで自分の音楽的嗜好も形成されたように思います。
▪️小学生になり9歳上の姉の影響でクラシックのレコードを聴く毎日
お気に入りは
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ「小フーガ:ト短調」
シャルル・カミーユ・サン=サーンス『組曲「動物の謝肉祭」より「白鳥」』
チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」
等、この頃からどちらかというと陽気で楽しい旋律よりしっとりとした「短調の曲」が好みだと気付き始め、バッハのオルガン曲のおかげでパイプオルガンの音色にも魅了されてしまい 、これで無事に「様式美の基礎工事」が完了。
▪️中学に入学
FMラジオをよく聴くようになり、当時流れていたフレンチポップスオーケストラや洋画のサントラにハマる。
ポール・モーリア・グランド・オーケストラ「恋はみずいろ」
ポール・モーリア・グランド・オーケストラ「涙のトッカータ」
フランシス・レイ「ある愛の歌」
ニーノ・ロータ「ゴッドファーザー PART II」
等々、買い揃えたオーディオ装置で大音量で聴きまくるのが日課に。安定のシンフォニックな嗜好。
一方、誕生日プレゼントにもらったフォークギターで、
チューリップ「心の旅」
かぐや姫「22才の別れ」
等、流行していた日本のフォーク、フォークロックのコピーや洋モノでは
ミッシェル・ポルナレフ「シェリーに口づけ」
ザ・ビートルズ「イエスタデイ」
ザ・ビートルズ「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」
等を弾いてギターの楽しさも実感。音楽のベクトルは徐々にロックへと向かっていきました。
▪️高校に入学
ディープ・パープル「ハイウェイ・スター」
ディープ・パープル「紫の炎」
安定のディープ・パープルや、
ユーライア・ヒープ「対自核」
ELP「悪の教典#9」
ピンク・フロイド「コンフォタブリー・ナム」
等を先輩や友人から聴かされ、ハードでプログレッシヴなロックへの傾倒が一気に加速したのですが、そんな中リッチー・ブラックモア率いるRITCHIE BLACKMORE’S RAINBOWの2ndアルバム『RISING』がリリースされ、大きな衝撃を受けました。オープニングの「タロット・ウーマン」からB面の「スターゲイザー」「ア・ライト・イン・ザ・ブラック」まで、隙のない凄い楽曲と演奏でアートワークや世界観も素晴らしく、未だに 自分のアルバム制作時のお手本としているくらいの自分的メガヒット作品だったのです。
同年12月にはRAINBOWは来日公演を果たし、当然足を運びましたが、それはもう、本当に、本当に 凄すぎて、、
巨大な虹はピカピカしてるし、リッチーのギター&アクションがかっこ良過ぎるし、ロニーの歌すげーし、コージーのツーバスの衝撃で鼻血がドバッと出そうな、そんな、そんな衝撃のライブ!!私の音楽人生のベクトルが「これで決まった!!」と言っても過言ではありません。
なんせ人生初体験の洋楽ロックのコンサートでしたからね、RAINBOWの影響は計り知れなかったと思います。
▪️その他
富田勲「惑星」(シンセの多重録音がすごい)
UFO「LOVE TO LOVE」(楽曲の展開が衝撃)
イーグルス「ホテル・カリフォルニア」(キャッチーな楽曲と衝撃のツインリード)
ドゥービー・ブラザーズ「チャイナ・グローヴ」(軽快なギターカッティングが素敵)
グランド・ファンク・レイルロード「ブラック・リコリス」(リズミカルなクラビネットとこれぞロックオルガン的なハモンドソロ。すげー!)
レッド・ツェッペリン「カシミール」(シンフォニックで重厚。大好物です)
ゲイリー・ムーア「ハリケーン」(少しジャジーなハードインスト!アグレッシヴなギター速弾きに衝撃) 等
JILL岡垣のルーツMUSIC
1.伊福部昭「ゴジラ」
2.伊福部昭「怪獣大戦争マーチ」
3.ヨハン・ゼバスティアン・バッハ「小フーガ:ト短調」
4.シャルル・カミーユ・サン=サーンス『組曲「動物の謝肉祭」より「白鳥」』
5.チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」
6.ポール・モーリア・グランド・オーケストラ「恋はみずいろ」
7.ポール・モーリア・グランド・オーケストラ「涙のトッカータ」
8.フランシス・レイ「ある愛の歌」
9.ニーノ・ロータ「ゴッドファーザー PART II」
10.ハンス・ジマー『グラディエーター』
11.チューリップ「心の旅」
12.かぐや姫「22才の別れ」
13.ミッシェル・ポルナレフ「シェリーに口づけ」
14.ザ・ビートルズ「イエスタデイ」
15.ザ・ビートルズ「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」
16.ディープ・パープル「ハイウェイ・スター 」
17.ディープ・パープル「紫の炎」
18.富田勲「惑星」
19.ユーライア・ヒープ「対自核」
20.ピンク・フロイド「コンフォタブリー・ナム」
21.レインボー「タロット・ウーマン」
22.レインボー「スターゲイザー」
23.レインボー「ア・ライト・イン・ザ・ブラック」
24.イーグルス「ホテル・カリフォルニア」
25.ドゥービー・ブラザーズ「チャイナ・グローヴ」
26.グランド・ファンク・レイルロード「ブラック・リコリス」
27. UFO「LOVE TO LOVE」
28.ELP「悪の教典#9」
29.レッド・ツェッペリン「カシミール」
30.ゲイリー・ムーア「ハリケーン」
URL:https://lnk.to/JILL.OKAGAKI1
JILL岡垣が選ぶテラ・ローザのベスト10曲
https://lnk.to/JILL.OKAGAKI2
◾️Profile
岡垣正志 Masashi”Jill”Okagaki
1980~1990年代初頭にかけて、日本の様式美HRの先駆者的存在としてシーンに君臨したTERRA ROSAのリーダーでありキーボーディスト。そのアグレッシヴなロックオルガンサウンドと重厚なシンセアンサンブルを信条とした楽曲と演奏スタイルで高い評価を得る。 現在 自らのバンドJILL’S PROJECT、APHRODITEを率いて活動中。