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島田歌穂ら「CRYSTAL BIRD」レーベルの、傑出した女声ヴォーカルが都会的なサウンドと見事に調和した楽曲を堪能しよう
SOUND FUJI 編集部
2023.7.5
数年前から、日本の都会的な楽曲がシティポップと呼ばれ、海外のリスナーに広く聴かれるようになった。このトレンドは一過性のブームにとどまらず広がり続けている。シティポップには様々な定義や考え方があるが、広く捉えれば、都会のリゾートやドライブにマッチする、洋楽のエッセンスを取り入れた洗練された音楽である。竹内まりやや杏里らがその代表格と言えるが、彼らはヴォーカルとしての確かな実力を持ち、さらにヴォーカルが音楽と一体化することで、楽曲のクオリティーを高めている。
シティポップのトレンドにより、発売当時大きなヒットに至らなかった楽曲でも、純粋に楽曲のクオリティーが評価され、掘り起こされる現象が起きている。今回配信された「CRYSTAL BIRD」レーベルの楽曲群はいずれも、シティポップの文脈で注目されうるクオリティーを持っている楽曲ばかりである。
実力派女性ヴォーカリストを擁する「CRYSTAL BIRD」レーベルの、ストリーミング・配信第1弾となる作品は、以下のラインナップだ。
・島田歌穂
『DISTRICTIONS』
『All you need is music』
『I’m just a woman』
『Loving My Soul』
『Will You Dance?』
『now and forever』
『Duo K&K in Ballade』
『HOTEL Original Soundtrack』 (島田歌穂 歌唱作品収録)
・沢田久美子
『LOVE ME OR LEAVE ME』
・井田リエ & 42nd STREET
『スター』
『STEP IN MY HEART』
・JOY
『It’s The Same Old Song』
・小田陽子
『NEW YORK 1961』
『Shadow & Me』
◾️Crystal Bird 第1弾配信作品
https://bio.to/CrystalBird_1
これらのアーティストは、後述するようにヴォーカリストとして際立った実力を備えているものの、壮大なメロディーを過度に歌い上げたり、バラードを情感たっぷりに表現したりするような、ヴォーカルを押し付けるような楽曲は皆無と言ってよい。彼女たちはロックやジャズも似合うヴォーカリストたちだが、サウンドはポップスど真ん中であり、耳になじむメロディーやアレンジに乗せて心地よいヴォーカルを聴かせてくれる。それでいて、随所にヴォーカルの個性がにじみ出ているのである。
ここからは各アーティストの特徴を紹介していく。
島田歌穂
ミュージカル「レ・ミゼラブル」のロングラン公演、NHK紅白歌合戦出場など、彼女の実力は広く知れ渡っているが、ミュージカル女優という先入観があるならば取り払うべきだ。今回配信された楽曲群では、ポップス歌手としての真っ直ぐで柔らかな歌声を披露している。系統としては岩崎宏美や今井美樹に近い。爽やかで柔らかい雰囲気の楽曲が多い中、アルバムタイトル曲である「Loving My Soul」は力強いサウンドとヴォーカルがシティポップ感満載で、また違った魅力が感じられるだろう。
沢田久美子
ハスキーな声色を持ち、独特のグルーヴ感が特徴的だ。曲の端々にジャズヴォーカルの雰囲気が感じられるが、楽曲としてはヴォーカルがサウンドに溶け込んでいるものが多い。彼女のヴォーカルを堪能するなら、『LOVE ME OR LEAVE ME』収録の「アイ・フィール I FEEL」がお勧めだ。
井田リエ
ハスキーでソウルフルなヴォーカリストだが、AOR(大人向けのロック調楽曲)や歌謡曲が似合うやや愁いを帯びた声色を持つ。それでいて歌唱に癖がないためにヴォーカルとサウンドの融合が見事で、楽曲が独特の雰囲気に包まれる。『STEP IN MY HEART』収録の「最後のグラス」は、コーラスワークやサウンドが都会的で、彼女の楽曲の中ではシティポップの雰囲気が強い一曲である。
JOY
実力派3人組コーラスグループ。『It’s The Same Old Song』は60年代洋楽カバー集だが、軽妙な訳詞も聴きどころ。「ダンシング・イン・ザ・ストリート」は、原曲の歌詞にはない竹下通りや表参道などの日本のストリート名がいくつも登場するのが面白い。
小田陽子
あらゆるジャンルをカバーする声色と歌唱力を持ち、どんな楽曲も自分の世界観で表現する。『NEW YORK 1961』はシティポップ主体、『Shadow & Me』は歌謡曲主体の構成だが、どちらもナチュラルに聴かせてくれる。『Shadow & Me』収録の「百万本のバラ」は、よく知られている加藤登紀子の楽曲より先に発表されたもので、岩谷時子の訳詞と小田陽子の歌唱により楽曲の情景が鮮明に浮かび上がる必聴の一曲である。
『都会的サウンドと実力派女性ヴォーカル!なのに癒やされる「CRYSTAL BIRD」レーベル作品集』
プレイリスト『都会的サウンドと実力派女性ヴォーカル!なのに癒やされる「CRYSTAL BIRD」レーベル作品集』では、シティポップテイストが強めで、かつヴォーカルの個性が光る楽曲をセレクトした。気になるアーティストが見つかったなら、アルバムにも耳を傾けてほしい。
◾️各配信サービスはこちら
https://lnk.to/CRYSTALBIRD